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自治体の生成AI活用、岡山県・香川県は何をしている? 公式情報で見る取り組みと国の指針

ガイド·2026.10.23·最終検証: 2026.10.22·9 min read·
自治体の生成AI活用、岡山県・香川県は何をしている? 公式情報で見る取り組みと国の指針
赤木 孝臣

SETODEZA合同会社 代表 / せとうちAI 編集長

BBT大学卒業。システム開発・スタートアップ支援・マーケティングを経て生成AI事業を開始。SETODEZA合同会社代表として岡山・香川の中小企業へのAI導入を支援するほか、岡山市ももスタ「NoCodeBootCamp」を運営。せとうちAIの企画・編集を担当。

国や県で、職員が生成AIを業務に使うための指針や仕組みが公開されています。この記事は、岡山・香川の自治体の職員と、自治体と取引のある地元企業の方に向けて、国・岡山県・香川県の公式の取り組みを整理したものです。

この記事の対象

岡山・香川の自治体の職員や、自治体と取引のある・取引したい地元企業で、自治体の公式の生成AIの取り組みを知り、自分の組織で使うときの参考にしたい人

結論
  • 岡山県は職員向けの生成AI利活用ガイドライン第2.0版(2026年4月1日付)を県のページで公開している
  • 香川県は2023年9月8日から、職員が内製したシステム経由で ChatGPT を全庁の業務に使い始めた
  • 国は総務省のガイドブック第4版(2025年12月)で、自治体が作る生成AIシステム利用ガイドラインのひな形を示した
  • 私たちの考えとして、参考にするときは最新の版と目的を確かめ、取引先の自治体には生成AIの扱いを契約の前に聞いておくと安心

国や県で、職員が生成AIを業務に使うための指針や仕組みが公開されています。この記事は、岡山・香川の自治体の職員と、自治体と取引のある地元企業の方に向けて、国・岡山県・香川県の公式の取り組みを整理したものです。

扱うのは、2026年10月22日時点で、各機関の公式ページで確かめられた内容だけです。ガイドラインの細かな規定までは扱いません。最新の内容は、必ず各機関の公式サイトで確認してください。

自治体の生成AI活用とは

自治体の生成AI活用とは、県や市町村の職員が、文書の作成・要約・翻訳などの業務に生成AIを使うことです。生成AIは、指示に応じて文章や画像などを新しく作るAIで、ChatGPT がよく知られています。

この記事では、国の指針、県が職員のために用意したルールと仕組み、県の地元企業への支援の3つに分けて見ていきます。

年表で見る国・岡山県・香川県の動き

公式ページで確かめられた主な出来事を、時期の順に並べます。

時期誰が何をしたか
2023年9月8日香川県全庁の業務で、生成AI(ChatGPT)を使い始める
2025年12月16日総務省「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>(第4版)」を公表。自治体が作る生成AIシステム利用ガイドラインのひな形を別添
2026年4月1日岡山県職員向けの「岡山県生成AI利活用ガイドライン」第2.0版の日付(県のページもこの日に更新)
2026年4月岡山県「中堅企業への成長支援事業~生成AI等を活用して~」の支援企業を募集(終了)
2026年4月24日デジタル庁政府職員向けの生成AIの環境「ガバメントAI 源内」を OSS として公開
2026年6〜7月岡山県事業者向けの生成AIのセミナーを開く(終了)

国の動き:総務省のガイドブックとデジタル庁の「源内」

総務省のガイドブック第4版(2025年12月16日)

総務省は2025年12月16日、自治体がAIを導入するときの手引き「自治体におけるAI活用・導入ガイドブック<導入手順編>(第4版)」を公表しました。報道資料によると、第4版のおもな変更点は次のとおりです。

  • 2025年7月に公表された、自治体のAIの利用に関するワーキンググループの報告書などをもとに改訂した
  • 生成AIの利用方法、具体的な利活用の事例、利用するときの留意事項などの記述を加えた
  • 別添として、自治体が作る「生成AIシステム利用ガイドライン」のひな形(Ver1.0)を加えた
  • 別紙として、生成AIシステムに特有のリスクのケースを報告するフォームを付けた

ひな形とは、各自治体が自分のガイドラインを作るときの下書きです。中身は、報道資料のページから案内されている総務省の公表資料で確認できます。

デジタル庁の「ガバメントAI 源内」(2026年4月24日 OSS 公開)

デジタル庁は、政府職員が安全にAIを使うための基盤「ガバメントAI 源内」を各府省庁に広げています。2026年4月24日には、源内を OSS として公開したと、デジタル庁のページに載っています。OSS(オープンソースソフトウェア)とは、ソースコードが公開され、決められたライセンスの範囲で誰でも使ったり改変したりできるソフトウェアのことです。

自治体や企業が使えるかは、この記事の後半で触れます。

岡山県:職員向けのガイドラインと、事業者向けの施策

職員向けの「岡山県生成AI利活用ガイドライン」

岡山県は、職員向けの「岡山県生成AI利活用ガイドライン」を公開しています。今の版は第2.0版で、表紙の日付は2026年4月1日(令和8年4月1日)です。県のページも同じ日に更新されています。担当は総務部デジタル推進課です。

県のページには、ガイドラインを定めた目的が書かれています。要旨は次のとおりです。

  • 生成AIは専門的な知識がなくても、文書作成やアイデア出しに使える
  • 一方で、入力するデータや、出てきた文章の使い方によっては、情報漏洩や著作権侵害が起きるおそれがある
  • そのため、県の職員が生成AIを使うときに守ること・気をつけることを定めている

具体的な規定は、県のページから第2.0版の本文(PDF)で確認できます。

地元企業向けのセミナーと支援事業(どちらも終了)

岡山県は、職員の利用だけでなく、県内の事業者の生成AI活用も後押ししています。

  • 事業者向けセミナー: 経営支援課が、生成AIなどを使った事業者のデジタル化を進めるセミナーを、2026年6月24日・6月30日・7月6日に開きました。岡山県商工会連合会と岡山県商工会議所連合会への委託で、会場とオンラインの両方で行われました
  • 中堅企業への成長支援事業: 産業振興課が、令和8年度「中堅企業への成長支援事業~生成AI等を活用して~」の新規支援企業を、2026年4月2日〜4月28日に募集しました。対象は、県内に主な事業所がある従業員300人以下の製造業の法人で、岡山県産業振興財団への委託です

どちらも終了しています。次の回があるかは、県の公式サイトで確認してください。

香川県:全庁で ChatGPT を使える仕組みを職員が作った

香川県は、2023年9月8日から、全庁の業務で生成AIを使い始めました。県のページによると、県の専任の職員が内製で作ったシステムを使います。このシステムは、裏側でインターネット上の ChatGPT とつながっていて、画面に入力した内容が ChatGPT に送られ、作られた文章が画面に返ってくる仕組みです。

開始の前には、6月末に生成AIの活用を検討するワーキンググループを設け、有志の職員による検討チームを公募で選んで、活用策の検討と利用ガイドラインの策定を進めました。県のページでは、生成AIでできることとして、情報収集、調査分析、翻訳・校正・要約、Excel の関数やマクロの作成、プログラミングが挙げられています。

あわせて、庁内の規程やマニュアルをもとに職員の質問に答える「庁内業務QAチャットボット」の実証実験を、会計事務・旅費事務・パソコンやセキュリティ関係の事務などから始めるとされていました。このページは開始時の告知です。今も同じ仕組みか、今のガイドラインの版や中身は、この記事では確かめられていません。

自分の組織で参考にするときのチェックリスト

県の取り組みは、そのまま自分の組織に当てはめるものではありません。ここでは、公式の情報を読むときと、自治体と取引するときに確かめたい点を、私たちの考えとしてまとめます。

自治体の職員が、ほかの自治体の取り組みを参考にするとき

  • [ ] 総務省のガイドブック第4版と、別添のひな形を原文で読んだか
  • [ ] 参考にするガイドラインが最新の版か(岡山県のガイドラインは2026年4月に第2.0版になっている)
  • [ ] そのガイドラインが、何のために作られたか(目的)を読んだか
  • [ ] 生成AIを使う道筋(香川県のような庁内システム経由など)と、使う業務を先に決めたか
  • [ ] 職員が使い方を学ぶ場を用意したか

地元企業が、自治体と取引するとき

  • [ ] 取引先の自治体が、職員向けの生成AIのガイドラインを公開しているか、公式サイトで探したか(「自治体名 生成AI ガイドライン」などで検索する)
  • [ ] 公開されていれば、目的と担当課を確かめたか
  • [ ] 提案書や納品物を作るときに生成AIを使ってよいか、使ったら伝える必要があるかを、契約の前に担当者に聞いたか
  • [ ] 自治体から受け取った資料を、生成AIに入力してよいかを聞いたか
  • [ ] 生成AIで作った文章や画像の扱い(著作権など)を確かめたか

情報漏洩がどんなときに起きるかは、AIで情報が漏れるって本当? 2026年の3つの事例に共通する原因で整理しています。

岡山市や高松市など、市町村の取り組みはどう調べる?

この記事では、県と国の公式ページで確かめられた内容だけを扱いました。市町村にも、独自の取り組みがある場合があります。

調べるときは、その市町村の公式サイトで「生成AI」「ガイドライン」と検索するか、デジタル推進の担当課のページを見てください。入札・委託の情報のページに、生成AIの研修や導入の案件が載っていないか見るのも一つの方法です。

自治体のガイドラインを、そのまま会社のルールにしてよい?

私たちはおすすめしません。自治体のガイドラインは、自治体の職員が、自治体の情報を扱うことを前提に作られています。会社とは、扱う情報も、決裁の流れも違います。

一方で、岡山県のページにある、情報漏洩や著作権侵害のおそれに備えるという目的は、会社にも通じる考え方です。目的の部分を参考にし、中身は自社の業務に合わせて考えるのがよいと私たちは考えます。

国の「源内」は、自治体や企業でも使える?

源内は OSS として公開されましたが、デジタル庁のページは政府職員向けの基盤として説明しています。自治体や企業が使うときの条件は、2026年10月時点でこの記事では確かめられていません。

使いたい場合は、デジタル庁の公式の案内と、公開されたソフトウェアのライセンスを確認してください。

注意点:この記事で分からないこと

  • ガイドラインの具体的な規定(入力してはいけない情報の範囲など)は扱っていません。岡山県の第2.0版の本文や、総務省のひな形の原文で確認してください
  • 利用している職員の数や、業務がどれだけ減ったかなどの数字は、公式の情報で確かめられなかったため書いていません
  • ガイドラインやセミナーの情報は変わります。2026年10月時点の情報として読み、最新は各機関の公式サイトで確認してください

まとめ

  • 岡山県は職員向けのガイドライン第2.0版(2026年4月1日付)を公開している。事業者向けのセミナーや支援事業も開いた(どちらも終了)
  • 香川県は2023年9月8日から、職員が内製したシステム経由で ChatGPT を全庁の業務に使い始めた
  • 国は総務省のガイドブック第4版でひな形を示し、デジタル庁は「源内」を OSS として公開した
  • 私たちの考えとして、参考にするときは最新の版と目的を確かめ、取引先の自治体には生成AIの扱いを契約の前に聞いておくと安心です

今回見た国と2県の取り組みは、どれも生成AIを安全に使うための準備(ルールや仕組みづくり)でした。会社や団体で、職員・社員が生成AIを安全に使えるようにしたい方は、せとうちAIの研修のページをご覧ください。地域で学べる場を探している方は、岡山でChatGPTを学ぶ・活用するならや香川でAI研修を探す中小企業へも参考になります。

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