Google Workspace の Gemini を仕事で使う:できること・料金・始め方


SETODEZA合同会社 代表 / せとうちAI 編集長
BBT大学卒業。システム開発・スタートアップ支援・マーケティングを経て生成AI事業を開始。SETODEZA合同会社代表として岡山・香川の中小企業へのAI導入を支援するほか、岡山市ももスタ「NoCodeBootCamp」を運営。せとうちAIの企画・編集を担当。
Gmail やドライブを会社で使っていて、Gemini について「今の契約のままで何ができるのか」「プランを上げる価値はあるのか」と迷っている経営者・管理担当の方に向けた記事です。
- この記事の対象
Gmail やドライブなど Google Workspace を会社で使っていて、Gemini を業務に取り入れるか、どのプランにするかを決めたい中小企業の経営者・管理担当
- 結論
- Gmail の Gemini と Gemini アプリは Business Starter(1ユーザー月額800円・税別)から使えます(2026年10月時点)
- ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet などの中で使うなら Business Standard(同1,600円)からです
- まずは文章の下書きや要約など、結果を人が確かめやすい業務で、少人数から試すのがおすすめです
- 管理者は、Gemini アプリのオン/オフ、データの扱い、日本語で使える機能を先に確かめます
Gmail やドライブを会社で使っていて、Gemini について「今の契約のままで何ができるのか」「プランを上げる価値はあるのか」と迷っている経営者・管理担当の方に向けた記事です。
この記事では、Google の公式情報(2026年10月時点)をもとに、プランごとに使える範囲、日本語で使える主な機能、管理者が始めるときの手順を整理します。先に答えを書くと、Gmail で使うだけなら Business Starter でも始められ、ドキュメントや Meet でも使うなら Business Standard 以上が必要です。
Google Workspace の Gemini とは
Google Workspace の Gemini とは、Gmail・ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet などの Google Workspace のアプリの中で使える、Google の生成AI(文章や画像を作り出す AI)のアシスタントです。アプリの画面の横に出る「サイドパネル」で頼みごとをしたり、メールや文書の下書き・要約を作らせたりできます。
これとは別に、ブラウザやスマホで Gemini と会話する「Gemini アプリ」(gemini.google.com)も、Business の各プランに含まれています。
どのプランで何が使える?(2026年10月時点)
2026年10月22日に日本向けの公式の料金ページで表示されていた内容は、次のとおりです。料金はどれも税別・1ユーザーあたりの月額です。
| プラン | 料金 | Gemini の範囲 | ストレージ(1ユーザー) |
|---|---|---|---|
| Business Starter | 800円 | Gmail の Gemini と、Gemini とのチャット。ドキュメント・スプレッドシート・スライド・ドライブ・Meet・Chat の Gemini は対象外 | 30GB |
| Business Standard | 1,600円 | Gmail・ドキュメント・Meet などで Gemini を使える | 2TB |
| Business Plus | 2,500円 | 比較表の Gemini の項目は Standard と同じ | 5TB |
- Enterprise は料金の表示がなく、問い合わせになっています
- 料金ページには「年間プラン(1 年契約なら 16% お得)」の表示があります。上の金額が年間プランと月ごとの契約のどちらの料金かは、契約前に画面で確かめてください
- 期間限定の割引の表示もありますが、条件の書き方が分かりにくいため、ここでは金額を載せません。条件は公式の料金ページで確認してください
日本語で使える主な機能
公式ヘルプの機能の対象表と、対応言語の一覧(どちらも2026年10月時点)をもとに、日本語に対応していると書かれている機能から、業務で使いそうなものを選びました。機能名は公式ヘルプの表記です。
| アプリ | できること(公式ヘルプの機能名) | 対象 |
|---|---|---|
| Gmail | 文書作成サポート(メールの下書き)、メールスレッドの AI による概要、メールの要約と下書きの作成(サイドパネル) | Starter 以上 |
| ドキュメント | 文書作成サポート、ドキュメントの要約、画像の生成 | Standard 以上 |
| スプレッドシート | AI 関数、分析情報の生成とデータ分析 | Standard 以上 |
| スライド | スライドの生成と編集、画像の生成 | Standard 以上 |
| ドライブ | Gemini に相談(ファイルの検索・要約) | Standard 以上 |
| Meet | 自動メモ生成(会議メモの作成) | Standard 以上 |
| Chat | 会話の要約 | Standard 以上 |
| Gemini アプリ | アイデア出し、要約、下書きの作成など(公式ヘルプの例) | Starter 以上 |
- Gemini アプリは、料金ページの比較表で Starter が「基本的なアクセス」、Standard 以上が「より広いアクセス」と表示されています。使える回数などの上限は変わることがあるので、公式の管理者ヘルプで確かめてください
- 機能の名前や対象のプランは変わることがあります。使う前に、公式ヘルプ「Google Workspace with Gemini を使ってみる」で確かめてください
Starter と Standard、どちらにするか
公式の料金と機能の範囲をもとに、選ぶときの基準をまとめました。どちらが合うかは業務によるので、私たちの考える目安として読んでください。
Business Starter で始めてよい場合
- まずはメールの下書き・要約と、Gemini アプリでの相談ができれば十分
- 社員の AI の使い方がまだ決まっておらず、費用をかけずに様子を見たい
- ドライブの容量(1ユーザー30GB)で足りている
Business Standard を考えたい場合
- 報告書・提案書・スライドなど、資料づくりでも Gemini を使いたい
- 会議が多く、Meet の自動メモ生成を使いたい
- スプレッドシートの集計や分析の相談をしたい
- ドライブの容量が足りなくなってきた(Standard は1ユーザー2TB)
Business Plus は、料金ページの比較表で Gemini の項目が Standard と同じです。Plus を選ぶかどうかは、Gemini ではなく、ストレージなどほかの機能で決めることになります。
始め方:管理者が最初にやる5つのこと
Google Workspace の管理者(管理コンソールに入れる人)が始めるときの手順です。
- 契約中のプランを確かめる。 Starter か Standard 以上かで、使える範囲が大きく変わります
- 使う人の条件を確かめる。 Workspace の Gemini は18歳以上が対象です。Gemini アプリは、ライセンスを割り当てた18歳以上のユーザーが、初めから使える状態になっています
- Gemini アプリのオン/オフを決める。 管理コンソールのメニューから「生成 AI」→「Gemini アプリ」→「サービスのステータス」で切り替えます。部署(組織部門)やグループごとにも設定できます。変更の反映には、最長で24時間ほどかかることがあります。操作には Gemini の「設定」の管理者権限が要ります
- データの扱いを確かめ、社内のルールを決める。 後半の「よくある質問」に書いた Google の方針を確かめ、AI に入れてよい情報・いけない情報を社内で決めます。情報漏れの事例は「AIで情報が漏れるって本当? 2026年の3つの事例に共通する原因」で紹介しています
- 少人数で、期間を決めて試す。 いきなり全員ではなく、AI に前向きな数人に、メールの下書きや会議の要約など結果を確かめやすい業務で使ってもらうのがおすすめです
なお、Gemini アプリのオン/オフは、gemini.google.com・モバイルアプリなどへのアクセスの設定で、Gmail やドキュメントの中の AI 機能には影響しないと公式ヘルプに書かれています。Gmail やドキュメントの中の Gemini をアプリごとに切り替える設定のヘルプは、対応エディションに Enterprise などが並び、Business は載っていませんでした(2026年10月時点)。Business で細かく制御したい場合は、管理コンソールの表示か Google のサポートで確かめてください。
すぐ試せる頼み方の例
最初の1週間に試しやすい頼み方です。社名や数字は自社のものに置き換えてください。
Gmail(Starter 以上)
- 「このスレッドの要点を3行でまとめて。こちらが返事をすべきことがあれば最後に書いて」
- 「来週の打ち合わせを、火曜か木曜の午後で提案する返信を、丁寧な言い方で下書きして」
ドキュメント(Standard 以上)
- 「このメモをもとに、社内向けの報告書の下書きを作って。見出しは『決まったこと』『次にやること』『担当』にして」
スプレッドシート(Standard 以上)
- 「この表から、前の月より売上が減った取引先を一覧にして」
使うときは、数字・日付・人名・取引先名を必ず元の資料と照らしてください。生成AI はもっともらしい誤りを書くことがあり、そのまま送ると、取引先とのトラブルにつながるおそれがあります。
注意点と、合わない場合
- 日本語で使えない機能がある。 公式の対応言語の一覧にない機能は、英語だけの対応です(2026年10月時点)。たとえば Gmail の校正(Proofread)は一覧で英語などに限られ、日本語は載っていません。Gmail の返信の候補や Meet の字幕の翻訳も、一覧には見当たりませんでした。試したい機能が日本語に対応しているか、先に確かめてください
- 結果は人が確かめる前提で使う。 下書きや要約は、そのまま使える完成品ではありません。確かめる手間を見込んでおきましょう
- ほかの AI と比べたい場合。 ChatGPT や Claude の法人プランとどれを契約するかは、業務と社内で使っているツールによって変わります。Google Workspace を中心に使っている会社では、メールや文書の画面の中で使える点が Gemini の利点だと私たちは考えています
- NotebookLM(Gemini Notebook)も使える。 公式の管理者ヘルプでは、NotebookLM は「アイデアを練ったり、整理したりできるように設計された AI 搭載のリサーチ アシスタント」と説明され、「Gemini Notebook に名称変更されます」と案内されています。Business Starter にもコアサービスとして含まれています(2026年10月時点)
よくある質問
Business Starter でも Gemini は使えますか?
使えます。2026年10月時点の料金ページでは、Starter に Gmail の Gemini と Gemini とのチャットが含まれています。ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet などの中で使うには、Business Standard 以上が必要です。
入力した社内の情報は、AI の学習に使われますか?
Google の公式の「Generative AI in Google Workspace Privacy Hub」には、Workspace は顧客の事前の許可や指示なしに、顧客データをモデルの学習に使わないと書かれています(2026年10月時点)。ただし、この説明は対象のエディションの Workspace で使う場合のものです。自社の契約が対象か、公式のページで確かめてください。
また、Gemini アプリの管理者ヘルプには、対象のエディションを持たないユーザーが Gemini アプリを使う場合、チャットが人のレビュアーに確認され、Google の製品や機械学習の改善に使われる場合があると書かれています。社員が会社の契約の外のアカウントで仕事の情報を入れないよう、ルールで決めておきましょう。
社員が勝手に使い始めないか心配です
管理者は、Gemini アプリを全員・部署ごと・グループごとにオン/オフできます。ただし、この設定は Gmail やドキュメントの中の Gemini には影響しません。Gmail などアプリの中の Gemini を Business で切り替えられるかは、公式ヘルプでは確認できませんでした(2026年10月時点)。また、オフにするだけでは社員が個人のアカウントで AI を使うことは止められません。使ってよい範囲を社内のルールとして決め、会社のアカウントで使ってもらう方が安全だと私たちは考えています。
まとめ
- Gmail の Gemini と Gemini アプリは Business Starter(1ユーザー月額800円・税別)から、ドキュメント・スプレッドシート・スライド・Meet などは Business Standard(同1,600円)から使えます(2026年10月時点)
- 迷ったら、Starter のまま Gmail と Gemini アプリで試し、資料づくりや会議の記録でも使いたくなったら Standard を考える、という順番が無理のない進め方です
- 始める前に、管理者は Gemini アプリのオン/オフ、データの扱い、日本語で使える機能を確かめ、社内のルールを決めておきましょう
- 料金や機能は変わりやすいので、契約の前には公式の料金ページとヘルプで最新の情報を確かめてください
せとうちAI では、岡山・香川の中小企業向けに、生成AI を業務で使うための研修を行っています。社内で生成AI を使い始める進め方を相談したい方は、研修のページをご覧ください。
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