NotebookLMの業務活用:社内資料の要約・調べ物を始める手順と、入れてはいけない資料


SETODEZA合同会社 代表 / せとうちAI 編集長
BBT大学卒業。システム開発・スタートアップ支援・マーケティングを経て生成AI事業を開始。SETODEZA合同会社代表として岡山・香川の中小企業へのAI導入を支援するほか、岡山市ももスタ「NoCodeBootCamp」を運営。せとうちAIの企画・編集を担当。
「あのルールは就業規則のどこに書いてあったか」「この作業は最新のマニュアルではどうなっているか」。社内の資料を探して読むだけで時間が過ぎてしまう、という経営者・管理部門の方に向けた記事です。
- この記事の対象
社内のマニュアル・規程・会議資料を探したり読んだりするのに時間がかかっている、岡山・香川の中小企業の経営者・管理部門の担当者
- 結論
- NotebookLM(2026年10月時点の公式ヘルプでの製品名は Gemini Notebook)は、入れた資料をもとに引用つきで要約・回答するため、社内規程やマニュアルの調べ物に使いやすい
- まずは社外秘でない規程を1つ入れて質問し、回答の引用で元の文を確かめる流れから試す
- 社内資料を入れるなら会社の Workspace アカウントで使い、共有の範囲を確かめ、個人情報や預かった秘密は社内のルールが決まるまで入れない
「あのルールは就業規則のどこに書いてあったか」「この作業は最新のマニュアルではどうなっているか」。社内の資料を探して読むだけで時間が過ぎてしまう、という経営者・管理部門の方に向けた記事です。
Google の NotebookLM は、自分で入れた資料をもとに、要約や質問への回答をする AI ツールです。この記事では、社内規程を入れて質問する手順と、会社で使うときのアカウント・共有の考え方、入れてはいけない資料のチェックリストをまとめます。
なお、2026年10月時点で、公式ヘルプでは製品名が Gemini Notebook と表記され、Google Workspace の管理者向けヘルプには、NotebookLM が Gemini Notebook に名称変更されると書かれています。この記事では、検索でよく使われる NotebookLM の名前で書きます。機能・上限・料金は、公式ヘルプと料金ページで調べた内容です(2026年10月22日時点)。変わることがあるので、使う前に公式の情報も確かめてください。
NotebookLM とは
NotebookLM とは、PDF や Google ドキュメントなどの資料を読み込ませて、その資料をもとに要約・質問への回答・整理をさせる Google の AI ツールです。読み込ませる資料を「ソース」と呼びます。公式ヘルプでは、AI を使ったリサーチのアシスタントと説明されています。
ふつうのチャット AI と比べて、次の3つの特徴があります。
- ノートブックごとに資料をまとめる。 ノートブックは、1つのテーマの資料をまとめた入れ物です。ノートブックどうしは独立していて、複数のノートブックの情報を同時には使えません
- 回答に引用が付く。 回答には、どのソースを根拠にしたかを示す引用が付きます。元の文と照らし合わせて確かめられます
- ソースにないことには答えない設計。 公式のよくある質問では、答えがソースにない場合は回答できないとされています
ただし、公式ヘルプには、不正確な情報を出すことがあるとも書かれています。引用が付いていても、大事な判断の前には元の文を読んでください。
社内資料で使える場面
公式ヘルプにある機能をもとに、管理部門で使えそうな場面を挙げます(使い方の例は私たちの考えです)。
| 場面 | 入れる資料の例 | 使う機能 |
|---|---|---|
| 規程やルールを調べる | 就業規則、旅費規程、経費精算のルール | 質問への回答(引用つき) |
| マニュアルの要点をつかむ | 業務マニュアル、システムの操作説明書 | 要約、マインドマップ |
| 会議の前に資料を読む | 会議資料、過去の議事録 | 要約、音声解説 |
| 説明用の文書を作る | 社内の手順書 | レポート |
- マインドマップ: ソースの主なトピックと関連するアイデアを、枝分かれの図で見せる機能です
- 音声解説: ソースの主なトピックを、2人の AI の話し手が話し合う形で要約した音声を作る機能です。80以上の言語で作れます。作るまでに数分かかることがあり、AI が作るため、不正確な内容や音声の乱れが入る場合があると公式ヘルプに書かれています
- レポート: ノートブックの内容から、内容を整理した文書(構造化されたドキュメント)を作る機能です。これも、不正確な情報や間違いが入る可能性があると公式ヘルプに書かれています
まず試す:社内規程を入れて質問する6つの手順
最初の1回は、社外秘でない資料か、社内ですでに全員に公開している規程1つで試すことをおすすめします。
- 会社のアカウントでログインする。 Google Workspace を使っている会社なら、会社のアカウントを使います。個人のアカウントとはデータの扱いの説明が違うためです(後の節で説明します)。Workspace の管理者は、NotebookLM を使えるかどうかを管理コンソールで切り替えられます。使えない場合は管理者に聞いてください
- 試す規程を1つ選び、最新版か確かめる。 NotebookLM は入れた資料をもとに答えます。古い版と新しい版を一緒に入れると、どちらの版の内容なのか分かりにくくなるおそれがあります
- ノートブックを作り、規程をソースとして追加する。 PDF や Word、Google ドキュメントなどを追加できます。対応する形式は、公式ヘルプのソースの一覧で確かめてください。公式のよくある質問では、コピープロテクトがかかった PDF は、取り込めない理由の1つに挙げられています
- 質問する。 下のプロンプトの例を使います
- 引用を見て、元の文を確かめる。 回答の引用が指す箇所を読み、回答と食い違っていないか確かめます
- 使える回答はメモに残す。 公式のよくある質問によると、削除したメモを元に戻す方法は今のところありません。大事な内容は、社内の文書にも写しておくと安心です
プロンプトの例
〔 〕の中を自社の内容に置き換えて使います。
規程の中から該当する箇所を探す
この規程で、〔出張の日当〕について書かれている箇所をすべて挙げてください。
条文の番号と、その条文の要点を箇条書きにしてください。
規程に書かれていないことは推測せず、「規程に記載なし」と書いてください。
新しく入った人向けに要約する
この就業規則を、入社したばかりの社員向けに要約してください。
「勤務時間」「休暇」「届け出が必要なこと」の3つに分けて、1項目3行以内でまとめてください。
資料だけを根拠に答えてもらう
次の質問に、このノートブックの資料だけを根拠に答えてください。
質問:〔有給休暇の申請は何日前までに必要か〕
資料から答えが読み取れない場合は、そう書いてください。
公式ヘルプには、より具体的な質問をすると関連性の高い情報を探しやすくなるとあります。条文の言葉や項目名を入れて聞くと、探してほしい箇所が伝わりやすくなります。
労務や法令に関わる解釈は、AI の答えで決めないでください。担当者や社会保険労務士などの専門家に確かめます。
会社で使うなら:アカウントとプランの考え方
無料の範囲の上限
2026年10月時点の公式ヘルプでは、無料の範囲の上限が次のように示されています。
- ノートブックは100件まで
- 1つのノートブックに入れられるソースは50件まで
- 1つのソースは50万語まで、ファイルのアップロードは200MBまで
- チャットは1日50回まで、音声解説の生成は1日3件まで
公式ヘルプの上限表(2026年10月時点)では、Google AI Pro のプランなどに当たる Pro の列で、ノートブックは500件、ソースは1ノートブック300件、チャットは1日500回、音声解説は1日20件です。表には上限が変更される場合があると書かれています。どの契約でどの上限になるかは、契約の前に公式ヘルプで確かめてください。
Workspace を使っている会社
Google Workspace の管理者向けヘルプでは、Business Starter・Business Standard・Business Plus などのエディションに、NotebookLM がコアサービスとして付帯すると書かれています(追加の契約なしで使えるサービスとして案内されています。2026年10月時点)。Business Starter は、公式の料金ページで1ユーザー月額¥800(税別)と表示されています(2026年10月時点)。年間プランなど契約の形による違いは、料金ページで確かめてください。
ただし、Workspace のエディションごとに、上の無料・Pro のどちらの上限になるのかは、今回確かめた公式ヘルプからは分かりませんでした。上限が足りるか気になる場合は、契約中のエディションで公式ヘルプを確かめてください。
個人のプランで契約する場合
個人向けの Google AI のプランは、Google AI Plus が月額¥725、Google AI Pro が月額¥2,900 と公式ページに表示されています(2026年10月時点。税込みか税別かの記載はページに見当たらないため、公式ページで確かめてください)。
社内資料を入れるなら、私たちは会社の Workspace アカウントで使うことをおすすめします。理由は次の節のデータの扱いです。
社内資料を入れても大丈夫? データの扱いと共有
仕事用と個人のアカウントで説明が違う
仕事用(Workspace)のアカウントについて、仕事用アカウントの公式ヘルプでは、フィードバックを送らない限り、データが NotebookLM の学習(トレーニング)に使われることはないと説明されています(2026年10月時点)。
フィードバックを送ったときの扱いは、公式ヘルプのページによって説明が異なります。
- 仕事用アカウントのページ: フィードバックを送ると、質問・アップロードしたファイル・回答を含むやり取りの全体を、Google が確認する場合がある
- プライバシーと利用規約のページ: Workspace のユーザーは、フィードバックを送っても、人のレビュアーによる確認は行われず、AI モデルの学習にも使われない
個人のアカウントについては、プライバシーと利用規約のページで、フィードバックを送らない限り Google の基盤モデルの学習に直接使われることはない、フィードバックを送ると専門のチームがレビューする、と説明されています。フィードバックには機密情報や個人情報を含めないよう求められています。
社内資料を扱うなら会社のアカウントで使い、どちらのアカウントでも、フィードバックには社内の情報を含めないことをおすすめします。
共有の範囲を確かめる
- 誰とも共有していないノートブックには、非公開を示す鍵のアイコンが出ます。特定の人と共有すると共有のアイコンに、一般公開すると地球のアイコンに変わります
- 共有の設定で「リンクを知っている全員」にすると、Google アカウントを持つ人なら誰でもノートブックを閲覧できます。チャットだけを見せるリンク(チャットビュー)で共有しても、閲覧者はソースや生成した内容に引き続きアクセスできる場合がある、と公式ヘルプに書かれています。アクセスを「制限付き」に戻すと、以前のリンクから新しく訪れた人はノートブックを開けなくなります
- Workspace の管理者は、ノートブックを組織の外の人と共有できるかを、「オフ」「許可リストに登録したドメインだけ」「オン」から選べます。リンクを知っている全員に公開する共有にも、別に設定があります。対象のエディションと今の設定は、公式の管理者ヘルプと管理コンソールで確かめてください
社内資料を入れる前に、管理者に今の共有の設定を確かめてもらうと安心です。2026年の情報漏れの事例に共通する原因(設定・共有・ログイン情報の管理)は「AIで情報が漏れるって本当? 2026年の3つの事例に共通する原因」にまとめています。
入れる前のチェックリスト:入れてはいけない資料
公式ヘルプのデータの扱いと共有の仕組みを踏まえた、私たちのおすすめの基準です。社内のルールや取引先との契約で決まっていることがあれば、そちらを優先してください。
社内のルールで認められるまで入れない
- [ ] 従業員や顧客の個人情報(住所・電話番号・マイナンバー・健康の情報・人事評価など)が入っていない
- [ ] 取引先から秘密保持の約束で預かった資料ではない(入れたい場合は、外部のサービスに入れてよいかを契約で確かめる)
- [ ] パスワード・ログインの情報・口座の情報など、ログインやお金に関わる情報が入っていない
- [ ] 未発表の決算・人事・取引など、外に出ると困る経営の情報が入っていない
入れる前に確かめる
- [ ] 個人のアカウントではなく、会社のアカウントでログインしている
- [ ] 資料が最新版で、古い版が混ざっていない
- [ ] 社外から入手した資料なら、社内で使ってよい・共有してよい資料か確かめた
- [ ] ノートブックを共有するなら、相手と範囲(非公開・特定の人・リンクを知っている全員)を決めた
よくある疑問
無料版で業務に使ってもいい?
無料の範囲でも、上の手順は試せます。ただし、個人のアカウントと仕事用のアカウントでは、データの扱いの説明が違います。社内資料を入れるなら、会社の Workspace アカウントで使うことをおすすめします。Workspace を使っていない会社は、社外に出ても困らない資料だけで試すことをおすすめします。
社内のすべての資料を入れて「何でも検索」にできる?
1つのノートブックに入れられるソースには上限があります(無料の範囲で50件。2026年10月時点)。また、ノートブックは独立していて、複数のノートブックの情報を同時には使えません。「規程」「経理のマニュアル」のように、テーマごとにノートブックを分けるのが現実的だと私たちは考えています。
スキャンした紙の規程も読める?
スキャンした PDF や手書きの資料をどこまで正しく読み取れるかは、今回の調べでは公式の説明が見つかりませんでした。試すときは、回答の引用と元の紙を必ず見比べてください。
日本語で使える?
日本語の公式ヘルプがあり、公式ヘルプでは80以上の言語に対応しているとされています(2026年10月時点)。
NotebookLM が合わない場面と注意点
- 資料にない答えはもらえない。 入れた資料をもとに答える設計なので、一般的な知識や最新のニュースを広く調べたいときは、ほかのツールのほうが向いています
- AI の答えを、そのまま規程の解釈にしない。 公式ヘルプも、医療・法律・金融の助言は資格のある専門家に相談するよう案内しています
- 資料の質がそのまま答えの質になる。 古い版や、担当者のメモが混ざった資料を入れると、その内容をもとに答えます
- 名称・画面・上限は変わる。 名称が NotebookLM から Gemini Notebook に変わりつつあるように、画面の表記や上限も変わることがあります
まとめ
- NotebookLM は、入れた資料をもとに、引用つきで要約や回答をする Google の AI ツール。2026年10月時点の公式ヘルプでの製品名は Gemini Notebook
- 最初は社外秘でない規程1つで、「質問する → 引用で元の文を確かめる」の流れを試す
- 社内資料を入れるなら会社の Workspace アカウントで使い、共有の範囲と、管理者の外部共有の設定を確かめる
- 個人情報・預かった秘密・ログインの情報は、社内のルールが決まるまで入れない
社内で AI の使い方や、入れてよい資料の線引きをそろえたい場合は、せとうちAIの研修のページをご覧ください。
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